今回は「Forum 3D」の「お題でレンダ■夏休みの思い出(9/3〜9/16) 」に投稿した絵の回転バージョンです。
水着はcasiopeaさんの「Swim Wear for KURURU」です。髪はsioneさんに再作成していただいたショートヘアですが、よく考えると投稿作品でも、回転アニメーションでも今回が初使用です。
casiopeaさんの水着は、Poser Clubまたはcasiopeaさんのサイトから入手可能です。
ここからBlenderの記事になります。
前回に続いて、モデリング機能について見てみます。
今回は曲面制御、ミラーリングの設定について、Metasequoiaと比較します。
Metasequoiaでは、どちらも「オブジェクト設定パネル」で設定します。
Blenderでは、どちらも「Modifier」パネルで設定します。
Metasequoia、Blenderともに、オブジェクト単位で設定するようになっています。
●曲面制御 Metasequoia
Metasequoiaで曲面化を設定するには、オブジェクトパネルで設定を行いたいオブジェクトを選択し、オブジェクトパネル上部の「設定」ボタンを押して、「オブジェクト設定パネル」を表示させます。
曲面化の種類は「曲面タイプ1」「曲面タイプ2」「Catmull-Clark」の3種類から選択できます。「曲面タイプ1」「曲面タイプ2」では3角ポリゴンを扱えないため、「Catmull-Clark」をメインに使用します。
3D画面上部の「簡」ボタンをオンにすると、一時的に画面表示を曲面化の設定がない状態にできます。マウス右クリックで簡易表示の設定対象を変更できます。
曲面化された形状をポリゴンに実体化するには、「オブジェクト」メニューから「曲面・ミラーのフリーズ」を実行します。
●曲面制御 Blender
Blenderでの曲面化の設定は「Buttons Window」で「Editing」を選択しているときに表示される「Modifiers」パネルで行います。
「Modifier」というのは、オブジェクトの頂点数や座標値などには変更を加えずに、計算により変形を加える機能で、設定をオフにすれば、いつでも元の形状に復帰できるものです。Metasequoiaのオブジェクトパネルでの設定に対応する、曲面設定、ミラーリングなどがある他、多数の機能が用意されています。
曲面化の設定は「SubSurf」という名前になっています。英語マニュアル「Subsurf Modifier」に詳しい説明があります。
「Add Modifier」ボタンを押すと、使用可能な機能の一覧が表示されますので、その中から「SubSurf」を選択します。
Subsurf Typeに「Catmul-Clark」の他に「Simple Subdiv」という項目がありますが、こちらは曲面化する機能ではなく、平面の分割をおこなうものです。
Metasequoiaの「分割数」に対応するのが「Levels:」の部分です。曲面をスムース表示させるには、「Link and Materials」パネルで「Set Smooth」を実行する必要があります。
すぐ下には「Render Levels:」という設定があります。これは「Render」パネルで「RENDER」ボタンを押してレンダリングする時に反映されます。
その他、ModifierのSubSurfパネルには以下のような機能があります。
・Optimal Draw
ワイヤーフレーム表示のときに、再分割計算される部分を非表示にし、元の頂点数で表示します。
・SubSrufUV
曲面をフリーズしない状態でも、プレビュー画面にUVを再分割計算して表示します。
・Editing Cage
再分割曲面を使用して曲面化された形状では、実際に表示される曲面を直接編集することはできず、外側に表示される元の形状を編集して行います。これがわかりにくいと感じる場合もあるかもしれません。
Blenderでは、辺や頂点を曲面上に表示させることができます。
・Crease Weight
Blenderでは、元の形状の辺に対して「Crease Weight」という重み付けを指定することができます。この指定は「Transform Properties」パネルの「Crease W:」で行います。
立方体のすべての辺を選択して、Crease Weightを設定した結果はこんな感じです。
「Mesh Tools 1」パネルで「Draw Creases」をオンにすると、Crease Weightを設定した辺を強調表示させることができます。
曲面をフリーズするには「Object Mode」で「Modifiers」パネルの「Apply」を実行します。(曲面設定に限らず、「Edit Mode」ではModifierの「Apply」を実行することができません。)
また、「Object」メニューの「Convert Object Type...」を実行することでもフリーズすることができます。
※MetasequoiaとBlenderの曲面制御についての注意点
MetasequoiaとBlenderでは、同じ「Cutmal-Clark」の曲面制御といっても作成される形状が微妙に違っています。Blenderでは開いた形状のエッジ部分が丸まってしまい、元の形状と一致していません。
これについては、エッジ部分に対して「Crease Weight」を「1.0」に設定することで、Metasequoiaに近い形状にすることができます(完全に同じ形状にはできないようです)。
●ミラーリング Metasequoia
Metasequoiaでは「オブジェクト設定パネ」ルにミラーリングの設定項目があります。
「左右を分離した鏡面」または、「左右を接続した鏡面」にチェックを入れることで、左右対称な形状を片側だけの編集操作で作成できます。左右対称な形状の場合、「X」を使用軸に設定します。
「ローカル座標」にチェックを入れるとミラーリング設定をしたままで、対称軸から離れた位置に移動したり、回転することができます(「ローカル」コマンドで移動、回転などの操作を行う必要があります)。
ミラーリング設定された形状で頂点編集を行っていると、対称面付近の頂点が微妙にずれてしまい、左右が正しく接続されなくなることがあります。
この場合、対称面付近の頂点を選択して「選択部処理」メニューの「頂点の位置を揃える」コマンドを実行し、頂点の位置を対称軸上の「0」に揃えます。
フリーズする方法は、曲面制御のときと同じです。「オブジェクト」メニューから「曲面・ミラーのフリーズ」を実行します。
●ミラーリング Blender
Blenderでミラーリングを設定するには、曲面制御と同じ「Modifiers」パネルで行います。英語マニュアル「Mirror Modifier」に詳しい説明があります。
Metasequoiaのような「左右を分離した鏡面」「左右を接続した鏡面」の設定はありません。「左右を接続した鏡面」で「接続距離を制限する」のチェックをオンにした状態に近い動作をします。
ただし、Metasequoiaでは平面に対して「左右を接続した鏡面」を設定して直方体を作ることができますが、Blenderでは側面の部分を元形状で作成しないと左右を接続できません。
また、「Merge Limit:」を「1.0」より大きくできないので、あまり対称面から離れた形状は接続できません。
「ローカル座標」の設定がありませんが、Blenderでは「Edit Mode」中での編集時にだけ対称面が影響し、「Object Mode」ではミラーリング設定の有無は気にせずに自由に移動、回転などを行うことができます。
「Do Clipping」を有効にすると、編集中に対称面上にある頂点がずれて面が分離されないように頂点移動が制限されるようになります。Blenderには「頂点の位置を揃える」コマンドに相当する機能がありませんが、この機能を使用すると対称面付近の頂点のずれを防ぐことができます(Scaleコマンドを使用して対称軸方向のサイズをを「0」に縮小して同等の操作を行うこともできます)。
「Mirro U」「Mirror V」の設定をすると、UV座標にもミラーリングが設定されます。
実際のモデリング作業では、曲面制御とミラーリングを組み合わせて使用することが多くあります。
Blenderでは複数のModifierを使用する場合、使用する順番に注意する必要があります。通常は、曲面制御とミラーリングを併用する場合、初めにミラーリングを設定し、それから曲面制御を設定します。
ミラーリングをフリーズする方法は曲面制御の場合と同じです。
曲面制御、ミラーリングを併用している場合、各Modifierを個別にフリーズする際は、順番に注意する必要があります。
「Object」メニューの「Convert Object Type...」を使用すれば、まとめてフリーズすることができます。
相変わらず絶好調で回ってますねっ(笑)♪ 僕はShadeとPoser使いなんで、BlenderとMetasequoiaの話についていけません(涙)・・・。 でも、同じ3DCGなんで、いろいろ参考にしてみたいと思ってます。
では、失礼しますね。
コメントをありがとうございます。
Blenderにはスカルプト機能などの先端機能があり、いろいろ試したいのですが、それにはもう少し基本的な部分からモデリングに慣れないと難しそうなため、こんな記事を書きながら勉強しています。
基本的すぎて、今ひとつ面白くないような気もしていますが...。
最近のKizokuさんのブログは、かなり盛り上がっていて楽しいですね。
今後の展開に期待しています。
BlenderのミラーリングでMerge Limit=0、Do Clippingを有効にしても頂点がX=0とはならず、移動してしまう時があるのです....?でも、少し動かしていじっているとピタッとくっ付くのはボクの設定が間違っているか、またまたPCのスペック差なのかなぁ〜?(笑)matoさんのはなった事ないですか?...無いですよね。(笑)
「Do Clipping」が利かないことがあるのですか。
私自身はまだこれから使ってみようという感じですので、まだそういう経験はありませんでした。
ちょっと試した感じでは、ミラーリング設定直後にX=0の位置にある点が移動したりするようです。
「Merge Limit」を0以外(0.0001とか)に設定しておくと、状況が改善されるように思えました。
「Merge Limit」は「Do Clipping」を指定していないときに設定してあると対称面から頂点が外れたときに気づかなかったりして問題がありそうですが、「Do Clipping」と併用している場合は「0」以外にしておいても問題ないと思います。
新しいバージョン、Blender2.45がリリースされました。
バグフィックスのみで、新機能はないそうです。
Shadeではもともと、「自由曲面」は独自のスプライン曲線による形状編集機能に対してこの用語を使用しているので、別の用語で表す必要があったのかな?
Shadeを使うときは、まったく別物なので注意が必要ですね。
こんばんは。
コメントをありがとうございます。
一般的な意味で「自由曲面」という言葉を使ったつもりだったのですが、Blenderでは「SubSurf」、Metasequoiaでは曲面制御という言葉を使っていて、Subdivision Surfaces(再分割曲面)と書くのが正しいと思います。
3DCGで「自由曲面」という言葉を使った場合、Shade固有の曲面機能を指してしまうかもしれないですね。
今後、気をつけたいと思います。(CG用語って難しいです...)
ちなみに、BlenderもShadeのように、ポリゴンベースの「SubSurf」だけでなく、NURBSによる本来の意味での自由曲面も扱えるようになっています。
ただし、3DCADなどのような本格的なものと違い、基本的な機能しか実装されていないため、ちょっと使いどころが難しい感じです。
記事中の「自由曲面」の記述を「曲面制御」「曲面化」などに書き換えました。
記事を作成してからずい分時間が経っているので、遅すぎる気もしますが...。