今回は先日(10/13)にPoser Clubのギャラリーに投稿させていただいた絵の回転バージョンです(ポーズ等を少し変更しています)。
服はsioneさんの「sione-kururu-HalloweenDress」、かぼちゃはmiluraさんの「JackO'Lantan」です。服はPoser Clubかsioneさんのサイトで、かぼちゃはPoser Clubで入手可能です。
ここからBlenderの記事になります。
今回はCurve Modifier機能についてです。
Curve Modifierというのは、NURBSやBezier曲線などの曲線に沿うようにメッシュ形状を変形する機能です。
先日MUKAさんが開催された「突撃中華展」に投稿させていただいた絵を作る際に、Blenderのスカルプト機能を使用して「竜の置物」を作りました。この竜の胴体部分を曲げる際に、この機能を使っています。
実際に竜の形状を曲げていただけるように、サンプルデータ(curve_sample.zip)を用意しました。

スカルプト機能で体のうろこ状の凹凸を作っているため元のデータはかなり重いので、今回はBlenderのポリゴン数削減機能で軽量化してあります。(それでもOBJファイルに出力すると40MB近くになってしまします。)
ちなみに、実際に投稿した絵では、体の部分で頭と尻尾の向きが反対になっているのですが(投稿後に気付きました...。)、今回のデータでは修正してあります。

●Curve Modifier
Curve Modifierを使用するのはとても簡単で、設定項目の方もシンプルです。
・変形したい形状に「Modifier」を設定し、コントロールに使用する曲線の名前を指定します。
・曲線に沿わせる向きをメッシュ形状の座標軸方向で指定します。

英語マニュアルのページはこちらです。
○サンプルデータを使用しての機能説明
以下、サンプルデータを使用して、Curve Modifierの機能について説明していきます。
このデータはあらかじめCurve Modifierが設定された状態になっています。
「Buttons Window」の「Editing」ボタンを押した状態で、「Modifiers」パネルが表示されます。竜の本体「Body」を選択すると、このパネルに「Curve」のModifire設定が表示されます。

「Ob:Curve.002」の部分で、コントロールするための曲線を指定します。
竜の形状はY軸に沿ってまっすぐ伸びた状態で作成してあります。
Modifierが設定された状態で、元の形状を確認したい場合は、Modifier設定画面の一番上中央にあるグリッドの絵のボタンをオフにします。

形状をコントロールする曲線には、今回はBezier曲線を使用しています。「Curve.002」という名前の曲線が、竜本体と別レイヤーに置いてあります。左上から2番目のレイヤーです。
さらに、別の「CurveCircle」という輪になったBezier曲線を別レイヤーに置いてあります。左上から3番目のレイヤーです。この輪に沿うように竜を変形してみます。


左上のレイヤーに表示を戻し、さらにグリッドの絵のボタンをオンにして、Modirierの変形表示を戻します。
「Ob:Curve.002」の部分を「Ob:CurveCirlce」と書き換えます。
竜が輪を描くような形になります。


○コントロール用の曲線の作成
せっかくですので、新規にBezier曲線を作成し、その曲線に沿って竜を変形してみます。
未使用のレイヤーに作成したいと思いますので、「Shift」キーを押しながら左上から4番目のレイヤーボタンを押します。

テンキーの「7」を押して、視点を上からに変更します。「スペース」キーを押して、表示されるメニューから「Add」-「Curve」-「Bezier Curve」を選択します。画面に適当に曲がっている曲線が作成されます。


「Curve Modifier」に曲線を指定する場合、曲線と変形したい形状の位置関係によってうまく曲線上に乗らないことがあります。
まず、曲線を元の形状に合うように位置を合わせ、Curve Modifierに曲線の名前を設定してから曲線を変形するようにすると、作業がわかりやすくなります。
作成したBezier曲線を竜の形に合わせて見ます。
一旦、「Edit Mode」を抜けて「Object Mode」にします。

竜の形状をマウス右クリックで選択します。「Modifier」パネルで「Curve」の設定の右上にある「x」ボタンを押して、Modierの設定を削除します。
変形の効果が消えて、元のまっすぐな形状に戻ります。


3D View上で作成した曲線をマウス右クリックで選択して、「Edit Mode」にします。
「A」キーを押して全て非選択にしてから、左側のコントロールポイントを(直線でつながった3点のうちの中央)をマウス右クリックで選択します。


竜の頭部が見えるように画面のスケールを調整し、「G」キーを押して移動します。
Bezie曲線のハンドル(直線でつながった3点の両端)のいずれかをマウス右クリックで選択し、「R」キーで回転して、曲線がY軸方向にまっすぐになるようにします。(「G」キーで移動しても構いません)


同じようにして、曲線の反対側を竜のしっぽの部分に合わせます。

竜の全体が見えるようにして、「A」キーを2回押して全てを選択します。「Curve」メニューから「Segment」-「Subdivide」を選択し、コントロールポイントを追加します。

○Modifierの設定
とりあえず、この3点のコントロールポイントの状態で「Curve」Modifierを設定します。
「Object Mode」にして竜を選択します。

「Modifier」パネルで「Curve」Modifierを追加します。

「Ob:」の部分を「Curve.003」(作成した曲線のオブジェクト名)に変更します。


いきなり竜が横を向いてしまいましたが、これは曲線に沿わせる座標軸の方向が「X」になっているためです。「Y」ボタンを押します。これで、竜がBezier曲線に沿って変形するようになりました。

○曲線の操作による変形
Bezier曲線を選択して、「Edit Mode」にします。
Outlinerで「Curve.003」の左の三角をクリックして下の階層を表示して、「Curve.003」のメッシュデータの部分をマウス左クリックすると、簡単です。

一旦「A」キーを押して全て非選択にしてから、中央のコントロールポイントをマウス右クリックで選択、「G」キーで移動します。
その他、適当にコントロールポイント、ハンドルの位置を調整します。


テンキーの「3」を押して、横からの視点にします。
この状態でコントロールポイントやハンドルを上下に移動しようとしても、動かすことができません。Bezier曲線は作成した時点で、2Dの平面的な編集のみ可能な状態になっています。
3Dの全方向に編集できるようにするには、「Curve and Surface」パネルで「3D」ボタンをオンにします。これで、コントロールポイントを上下にも移動できるようになります。

○その他
曲線の長さに合うように、変形対象のオブジェクトの長さをそろえたい場合、「Curve and Surface」パネルで「CurveStretch」ボタンをオンにします。


この状態で、コントロールポイントを追加することもできます。
追加したい位置をはさむコントロールポイントを選択し、「Curve」メニューから「Segment」-「Subdivide」を実行します。


曲線上でねじるように変形させたい場合は、コントロールポイントを選択して、「Curve」メニューで「Control Points」-「Tilt」を実行し、マウス操作で回転量を調整します。


くるるちゃんはきれいでかわいいですね。Hexagonしか使えないのでBlenderはわからないもので、うらやましく勉強させていただいていました。よろしくお願いします。
六郎太さんのブログ、楽しく拝見させていただいてます。
たくさんのフィギュアを自作され、しかもアニメーションの形で公開されているのが、とてもすごいですね。
私もまだ全然わからないことだらけの状態ですが、少しずつ覚えながら記事を書かせていただいてます。
内容に全然まとまりがないような気もするのですが...。
ご挨拶もなしに、勝手にブログリストに登録してしまい、すみません。
こちらこそ、よろしくお願いします。
(同じ内容のようでしたので、はじめのコメントを削除させていただきました)
ネックレスとか、複数のパーツでできたオブジェクトを丸めるのはどうしたらいいんだろう??と悩んでた所だったので助かりました^^早速練習してみます!
こんばんは。
Blenderで曲線に沿う形状を作成する方法は他にもいくつかあって、今回のサンプルデータでは歯の部分に「Dupliframes」という機能を使っています。
同じパーツをたくさん並べる場合はそちらの方が便利かもしれません。
JBDPの日本語マニュアルに解説がありました。
http://f11.aaa.livedoor.jp/~hige/index.php?%5B%5BDupliFrames%5D%5D
sionさんの衣装で回転しているくるるちゃん
も素敵ですが、竜を作っておられたのですね!!
Blenderの機能は多彩なんですネー(**;)
※中華展…matoさんのリンクで場所がわかりました。
観にいったらコメント受付終了していました。
トホホ。
こんばんは。
中華展は当初、アイデアがまったく浮かばず困っていました。
以前に中華服のキャラをラフスケッチで描いたことがあって、今回はそれをPoserで再現してみました。
竜はその絵の中に描いてあったもので、ちょうどスカルプト機能の練習になりそうなので作ってみました。
中華展の場所、分かりにくかったでしょうか?
私の場合、バナーを表示させていてもブログを更新していなかったので、あまり意味がなかったのかもしれません。すみません。
これはキーフレームも使って
モデリングするんですね〜(@@)
Blenderは本当に奥が深いですね!
拙いアイテムを使っていただいて、ありがとうございます^^
自分の作ったアイテムをヒトサマに使っていただいているのを見るのって、なんだか面映いけど、とてもうれしいものですね。
カボチャでこれなのだから、くるるちゃんの生みの親であるmatoさんの気分はいかばかりかなーと思います。
こんばんは。
やたらと大きくしたり、小さくしたり、大きさを勝手に変えてしまって、すみません。
このかぼちゃさんは、表情がとてもいいですね。この笑顔で絵の雰囲気がとても明るくなるように思います。
くるるを使っていただいた絵を見るたびに、とてもうれしい気持ちと、使っていただいて申し訳ないという気持ちが、一緒になった感じになります。
くるるを使っていただいている皆さんに、本当に感謝しています。