今回の回転画像(アニメーションというほどのものでないですね...)は、sioneさんの「AutumnDress for kururu」、mayutaさんの「mayuta_kururuBoots」を使わせていただきました。
どちらもPoser Clubで入手できます。服はsioneさんのサイト、ブーツはmayutaさんのサイトからも入手できます。
これまでは、この回転画像はPOV-Rayというフリーのレンダラを使用して作成していたのですが、今回はPoser7で作成してみました。今後もPoserを使って作成していこうと思います。
先日作成した動画をたくさんの方に見ていただき、本当にありがとうございました。
今回の記事は私がPoserでダンスのアニメーションを作成した際の手順の一部を簡単に再現してみたいと思います。
私自身は先日初めてまともにアニメーションを作ったばかりという感じですので、内容的にはあまり参考にならないように思いますが...。
e-frontierアメリカのホームページのチュートリアルなどは、とても参考になると思います。
Poserではライブラリにあるポーズを、適当なフレーム間隔でフィギュアに適用していくことで、簡単にアニメーションを作成することができます。
今回はいくつかのポーズを適当なフレーム位置に並べてアニメーションを作り、アニメーショングラフで動きを修正する、というような作業をPoserで行ってみたいと思います。
具体的には、先日作成したアニメーションのダンスモーションの一部を作成してみます。
以下の内容を実際に試していただけるようにサンプルファイル(sample_data071128.zip
)を用意しました。
実際に必要なのは静止状態のポーズ3つだけですが、せっかくですので先日作成したアニメーションのダンス部分のデータ3種類も一緒に入れてあります。
サンプルファイルということでRuntimeフォルダの階層に合わせて作成していません。適当なPoserのRuntimeライブラリに移動して使用してください。
「sample」フォルダに、以下の作業で使用するpose01,pose02,pose03の3つのポーズファイルが入っています。
これらのポーズは、元にした動画の中で最初の足の状態、足が最も内側にある状態、足が最も外側にある状態を選んで作成してあります。ちなみに、今回は脚の部分のみの動作の再現になります。
(詳しく確認してはいませんがPoser5以降であれば以下の内容をすべて再現していただけると思います。)
ここから実際の作業に入ります。
適当にフィギュアを読み込みます。
以下の画像ではくるるさんを使っていますが、他のフィギュアでも特に作業内容は変わらないと思います。
いずれの場合でも「フィギュア」メニューのインバースキネマティクス設定で両足にチェックが入っていることを確認してください。
多くのフィギュアではデフォルトでチェックが入った状態になりますが、Terai Yuki2など一部のフィギュアではチェックが入らない状態になっています。

このアニメーションは全体で37フレームのアニメーションになっていて、最初と最後のフレームは同じポーズです。
また、1,37フレームと18フレーム、3フレームと20フレーム、10フレームと28フレームがそれぞれ対になっていて、左右反転させたポーズになっています。
まずは、この各フレームに対応するポーズを設定していきます。

全体のフレーム数を「37」に変更します。
フレーム「1」「18」「37」に今回用意したサンプルフォルダのpose01を適用します。


現在のフレーム位置を変更するには、画面下のアニメーションコントロールにあるオレンジ色の三角形のスライダを使用します。フレーム表示の左側の数字で直接指定しても同じです。

フレーム1にポーズを読み込んだあとは、別のフレーム数に同じポーズを読み込んでも画面上は何の変化もありません。
わざわざ同じポーズを読み込む意味があるのか不思議に思われるかもしれませんが、ライブラリからポーズを適用することでそのフレームにキーフレームを作成することができます。
アニメーション編集パレットを開くとそのことが確認できます。
画面右下の鍵のボタンを押すか、「ウィンドウ」メニューの「アニメーション編集」を選択するとアニメーション編集パレットが開きます。1,18,37フレームが明るい緑色に変わっているのが確認できると思います。

同じようにしてフレーム「3」「20」にpose02を適用します。
さらに、フレーム「10」「28」にpose03を適用します。


後半のポーズは左右を反転させる必要があります。
フレーム「18」に移動して、「フィギュア」メニューから「対称」-「左右反転」を実行します。


「腰部」のX移動の値は反転されないようですので、パラメータパレットで手入力で修正します。「0.320」を「-0.320」にします。

同様に、フレーム「20」「28」のポーズを左右反転します。
「腰部」のX移動の値を修正します。フレーム20では「0.430」を「-0.430」に、フレーム28では「0.369」を「-0.369」にします。
ここまでで、一応脚の部分のアニメーションが作成できました。
ムービー出力するとこんな感じです。
ダウンロードは🎥こちら
とりあえず動いてはいるのですが、ちょっとばたばたしているような不自然な感じもします。実際、右足が左足にめり込んでいたりします。

キーフレームに使用しているpose02が脚を閉じる部分のポーズですが、そこでは両足が重ならないようにしてあります。
なぜこのようなことが起きるかというと、Poserではキーフレーム間の動きをスムーズにするために、デフォルトでスプライン補完を行うようになっています。
動きを滑らかにする際の副作用として、キーフレームで設定していないような動きが勝手に作られてしまうことがあります。
その様子はアニメーショングラフを表示することで確認できます。
「右足首下」の「X移動」について、アニメーショングラフを見てみます。
アニメーション編集パレットの「右足首下」の文字の部分をマウスでダブルクリックします。

表示されるアニメーショングラフの右上のメニューから「X移動」を選択します。
(私の環境ではこのメニューはときどき反応しないことがあります。その場合は一旦「テーパー」「拡大縮小」などの別の項目を選択しグラフが更新されるのを確認できてから、改めて選択するといいようです。)
スクロールバーの端の部分を調節することで、全フレームを画面内に表示させることができます。


このグラフでは横軸はフレーム数、縦軸はパラメータの数値を表しています。
グラフを見てみると、スプライン補完で作成された曲線の山の部分がキーフレームとして設定したポーズのパラメータの値よりもかなり大きくなっています。
もともと足の位置が最も内側、外側にくるポーズをキーフレームとしているはずなので、それよりも上下にカーブが膨らんでいる部分は動きが誇張されて、右足が左足にめり込んだりしているようです。

これを修正してみます。
修正方法にはいくつか方法があります。
一つは新しいキーフレームを追加して曲線の形状を修正するというものです。
グラフの上をマウスクリックするとキーフレームを表す縦棒が追加されます。
マウスカーソルが上下の矢印になっている状態でマウスドラッグすると、そのフレームでのパラメータ値を修正し、曲線の形状を変えることができます。
正確に数値を設定したい場合は、パラメータパレットの方で値を変更することもできます。

基本的には、このようにしてキーフレームを追加していくことでカーブの形状を修正、アニメーションを調整していくのですが、キーフレームが増えると後から修正したくなった場合により多くの手間が必要になります。
ということで、もう一つの方法です。
それはスプライン補完のカーブを直線状に変更するというものです。
アニメーショングラフの左下にそのための「線形」「コンスタント」「スプライン解除」の3種類のボタンが用意されています。
線形では設定したキーフレームから次のキーフレームまでの間が直線状になります。
コンスタントでは、設定したキーフレームから次のキーフレームまでの間が同じ値(グラフが水平)になります。
スプライン解除では、設定したキーフレームから次のキーフレームまでの間のうち設定した方に近い部分が直線状になりますが、反対側の部分はスプライン補完された状態になります。
ちなみに間違って追加してしまったキーフレームは、右下の「-」のボタンで削除することができます。


先日作成した動画では、私は思い切ってこのパラメータ部分をすべて線形にしてみました。
というか、その時点では他の機能がよく分からなかっただけなのですが...。
かなり動作が速いためこれでもとくに不自然な感じはしないようでしたが、もう少しゆっくりした動きの場合は足が地面に接している部分を「コンスタント」に設定し、それ以外は「スプライン補完」を設定しておくのがいいように思います。
とりあえず、まとめて線形に変更してみます。
グラフの背景部分をマウスドラッグすると領域選択ができます。
フレーム全体を選択して、「線形」ボタンを押します。
このとき、現在のフレーム位置にすでにキーフレームが設定されていない場合は、新しくキーフレームが追加されてしまいますので注意してください。


同じような感じで「左足首下」の「X移動」についてもアニメーショングラフを表示して、グラフ全体を「線形」に変更します。


この状態でムービー出力したものがこちらです。
とりあえず両足が重なってしまう部分は修正できました。
ダウンロードは🎥こちら
こんな感じで各パラメータのカーブを調整し、上半身の首や手の動きなども設定して、ようやく一つのダンスの1サイクル分が完成します。
たくさんのパーツ、パラメータを調整するのは大変ですが、本当に重要な部分は今回のアニメーション中では「両足首下」の「XY移動」くらいで、それ以外の部分はほとんど細かな調整はしていません。
実際にアニメーションで使用する際はもう少し長い時間踊り続ける必要があります。
作成したアニメーションをライブラリに保存しておき、最終フレームの位置に同じアニメーションポーズを読み込むことで、おなじ動作を繰り返すことができます。
ライブラリに保存する以外にも、特定のフレーム範囲をコピーする方法がいくつかあります。
まずは、アニメーション編集パレットでマウス操作でドラッグする方法です。
マウスドラッグで必要な範囲を選択します。「Alt」キーを押しながら選択部分をマウスドラッグすると、その範囲をまとめてコピーできます。
「Alt」キーを押さない場合は移動になります。



もう一つ、「アニメーション」メニューの「キーフレーム間隔の変更...」というメニューコマンドを使用することでもコピーを行うことができます。
アニメーション編集パレット、プレビューウィンドウなどでフィギュアの一部を選択します。
「アニメーション」メニューの「キーフレーム間隔の変更...」を実行します。

設定用のダイアログが表示されます。
「元のフレーム間隔」に作成済みのフレーム範囲を設定し、「変更後のフレーム間隔」にコピー先のフレーム位置を設定します。
このコマンドでは、コピー先のフレーム数は元のフレーム数と同じでない場合、自動的に長さを調整してくれます。
これを利用してアニメーションの全体のフレーム数を伸ばしたり、短くしたりすることができます。


※インバースキネマティクスについての補足。
アニメーションで足元が見える場合は脚のIK(インバースキネマティクス)の設定はオンにしておくと便利です。
歩行やダンスなどのアニメーションで足が地面に接しているとき、足が地面に対して完全に静止するようにすると、リアルさがずっと増します。
IK設定をオンにすると両足首下のパラメータパレットにX,Y,Z移動のパラメータ項目が追加され、直接位置を指定することができるようになります。
また、IKを使用する場合は膝などの関節があらかじめ少し曲がった状態になっていないと、不自然な向きに膝が曲がってしまったりします。
Kururuではライブラリからロードしたときのポーズのままでは、うまく膝の関節が曲がってくれません。
「Kururu」-「Leg_IK_On」のポーズを適用してから、ポーズを作成してください。
ブーツを使っていただいてありがとうございます♪
アニメーションはまったく試した事ないんですが^^;こうして見るとPoserはアニメーション作業に向いてるんですね。きれいな動きにするのはやっぱり大変そうですが。。。一度くらいはお気に入りのフィギアを動かしてみたいですね〜^^
本当はもう少し早く使わせていただくつもりだったのですが、動画作成とかで遅くなってしまいました。
sioneさんの服が秋の服なので、なんとか真冬になる前にと思っていたのですが、今日のこの寒さは...もう十分真冬という感じですね。
Poserで動画を作っている人はあまり多くないようですが、ソフト自体はかなり古くからアニメーションを意識して作られていました。
Poser2でIKなどアニメーションのほとんどの機能が装備されていて、Poser3ではアニメーション関係の操作パネルがほとんど今と同じになっています。
服を着用することができるようになったのがPoser4からですから、ちょっと意外な感じもしますね。
こんばんは。
今回の記事では触れませんでしたが、Poserではマテリアルのアニメーションも可能です。
マテリアルルームの詳細設定でパラメータ名の横にある鍵のマークをオンにすると、パラメータパレットにその項目が追加され、キーフレームを設定できるようになります。
テクスチャや透明度が変化するようなアニメーションなどもできますので、色々と試してみると面白いと思います。
Poserアニメーションは、私にとって未知の
領域です。とても勉強になりました。
またIK設定が重要な部分であることを再確認出来ました。
matoさんは今後動画の方にも力を注がれて
いかれるのですネ、楽しみしております。
こんばんは。
私は以前使っていたAnimation MasterやBlender、それ以外のいくつかの3DCGソフトでアニメーションに関する機能を少し使った経験があったので、それをPoserで試す感じで先日の動画を作成しました。
初めて使った3DソフトがPoserという感じだと、アニメーション作成に関する情報が少なすぎて、なかなか自分で作ってみようとは思われないかもしれません。
先週あたりから少し仕事が忙しくなってきたので(本当は今までが暇すぎで、これが普通という感じなのですが)、投稿できるようなものを作るだけの時間を確保するのが難しそうです。
次がいつになるか、まったく未定という感じです...すみません。
Poserでのアニメーション制作はこんな風に行うんですね。勉強になりました。
もっと細かく細かくポーズを付ける必要があるのかと思ったら、
少ないポーズ数で滑らかに動かせるのですねー。びっくりでした。
(それでも曲に合わせて踊らせるとなるとかなりの根気が必要そうですが)
ダンスデータではカメラアングルを変えてみたりして遊ばせてもらいました。
終始、くるるちゃんが動いてる!うごいてる!!!と大はしゃぎしてしまいました。
わたしもいつか動画制作に挑戦してみたいです。
というか、意地でも自分の手でくるるちゃんを動かしてみたいです!
(と、夢ばかりが膨らんでいく一方、 時間と能力が……という感じですが;)
こんばんは。
投稿した動画ではにあ☆みぃさんに踊ってもらっていますが、実はダンスの振り付けはくるるを使って作りました。
動画の画面の解像度が低くて、ほとんど顔がわからなくなりそうなので、途中でにあ☆みぃさんに変更しています。
ニコニコ動画の初音ミクさんの動画にはとてもかっこいいものがたくさんあって、くるるさんがそんな風に動いたらいいなと思います。
今の自分の技術ではちょっと無理そうなので、もう少しいろいろ勉強してから挑戦してみたいですね。
動画見てきました。可愛いダンスですね。
初音ミクさんの滑らかな歌声も驚きです。
アニメーションの記事参考になります。スプラインとかその辺、よく解かってなかったんですよ。あのグラフボタンの意味がやっと解かりました。
ありがとうございます。
こんばんは。
いらっしゃいませ!!です。
動画作りはかなり時間がかかって大変ですが、Poserなら素材作りの手間が省けるので、他のCGソフトで作るよりは、かなり楽なのかもしれません。
Poser7ではアニメーションレイヤーとか新しい機能も追加されているので、もう少し使いこなせるようになったらまた記事を書いてみたいです。
pythonスクリプトとかもうまく使うと、アニメーション作成に役に立ちそうなので、余裕があるときに調べてみたいです。
これからも、よろしくお願いします。
最近、POSERとMetasequoiaを始めました。
くるるちゃんをダウンロードさせて頂きました。
DAYTONAさんの「ぴろり」ちゃんの方を使うことが多いのですが
その生みの親ということでご挨拶に来ました。
私はVOALOID関連をピアプロに投稿して活動していく予定です。
これからよろしくお願いします。
はじめまして。
ピアプロのイラストを拝見させていただきました。
これからも、にあ☆みぃさん、ぴろりさんで素敵な絵をたくさん作ってくださいね。
今後のピアプロでのご活躍に期待しています。
こちらこそ、よろしくお願いします。