今回の回転画像はtentmanさんの「Clannad uniform for Kururu」、mt55さんの「Socks And Indoor Shoes For Kururu」を使わせていただきました。ソックスはマテリアルを少し変更させていただいてます。
制服のセットはtentmanさんのサイトから、ソックスと上履きのセットはmt55さんのサイトから入手できます。
ここからBlenderの記事になります。
今回は、ボーンとメッシュの関連付け(skinning)について見てみたいと思います。
Blenderでフィギュアをボーンに合わせて変形するための設定は、メッシュの頂点に対して各ボーンへのウェイトを設定することで行います。
今回の記事では、近く公開が予定されているVer.2.46に搭載される「Bone Heat Weighting」によるウェイトの自動設定をVer.2.46 RC1で試してみます。
さらに、自動設定されたウェイトを調整するため、メッシュに対してテクスチャを描き込むのと似たような操作「ウェイトペイント」の機能も使います。

頂点にウェイトを設定する方法の他に、ボーンの周りに影響範囲を設定する「エンベロープ」を使用する方法でも同様のことができますが、細かな調整ができないため関節部分をうまく変形させることができません。
今回の手順の途中経過を保存したサンプルファイル(sample_data080319.zip)を用意しました。以下の記事の中で、対応するサンプルファイル名が書かれています。
データサイズの節約のため、テクスチャのデータは省略させていただいてます。
今回の記事はいつもの倍くらいに長くなってしまいました。
2回に分けようかとも思ったのですが、ちょっと無理をして1回分に詰め込んでしまいました。
読みづらくなってしまっていたらすみません。
●OBJファイルの読み込み
BlenderのアーマチュアをPoserの「.cr2」ファイルから作成する方法については、前回(02/19)の記事で書きました。
フィギュア本体のメッシュデータはWavefrontOBJ形式でファイルをインポートするだけなのですが、いくつかの注意点があります。
まず、テクスチャの設定を保持した形でOBJファイルを読み込むためには、適切な「.mtl」ファイルを用意する必要があります。
また、Poserでは各パーツごとにメッシュデータが分離した状態のOBJファイルを使用しますが、Blenderでは関節部分がつながっている状態のメッシュデータを使用します。
以上の理由から、PoserのRuntimeフォルダの中にあるOBJファイルを直接使用するのではなく、一旦Poser上にフィギュアをライブラリから読み込んで、WavefrontOBJ形式でエクスポートしたデータを使用します。
ということで、Poserの操作から説明を...といきたいところですが、少し事情があってPoserではなくDaz|Studioを使用します。
Poserから出力したくるるのデータをBlenderに取り込んでみたところ、データの一部が微妙に左右非対称になってしまって、この後説明するウェイトペイントの左右対称操作に問題が起こりました。
Daz|Studioを使ってみたところ、完全に左右対称なままでOBJ形式に出力できるようです。
※OBJ出力のダイアログで「モーフターゲットとして(ワールド変換 なし)」というオプションをオンにすることで、完全に左右対称に出力できるようです。2008/04/08追記
Poserフィギュアには、ライブラリからのロード時のポーズがゼロポーズと違っているものが少なくないようです。
「Pose Handler Script」でPoserの「.cr2」ファイルから作成されるアーマチュアは、ゼロポーズの状態になっていないとうまくボーンの位置が合わなくなる可能性があります。
フィギュアの形状をOBJファイルにエクスポートする前に、フィギュアをゼロポーズ状態にしておきます。
Daz|Studioでは、Parametersタブのメニューから「Zero」-「Zero Figure」を実行します。

OBJファイルにエクスポートするには、メインメニューで「File」-「Export...」を実行します。エクスポートのダイアログでの設定項目については、次のような感じです。


「OBJ Export Options」ダイアログの「Basic」タブです。
出力のスケールはPoserと同じにします。
このスケールでBlenderの「Pose Handler Script」の出力するスケールと丁度同じスケールになります。
「Weld Figures」をチェックすると分離されているパーツがつながった状態で出力されます。デフォルトでチェックされています。
「Advanced」タブで「Write Surfaces」の「Collect Maps」をチェックすると、OBJファイルと同じ場所に「Maps」というフォルダが作成されて、その中にテクスチャファイルがコピーされます。
「.mtl」ファイルの記述もそれに合ったものとして出力されますので、Blenderに読み込んだ後でテクスチャの場所を指定する手間を省くことができます。

Blenderの方では、まずデフォルトのCubeを削除してから、「File」メニューの「Import」で「Wavefront(.obj)...」を実行します。
表示される「Import OBJ...」ダイアログでは、「Options...」で「Morph Target」をオン、「Separete objects from obj...」の「Group」「Material」をオフにします。「Object」はオンでもオフでも大丈夫です。


BlenderでのOBJファイルインポートはこんな感じです。
●頂点ウェイトとエンベロープ
次に、頂点ウェイトとエンベロープについて少し説明します。
Blenderでボーンの動きに合わせてメッシュを変形するための影響設定には、頂点にウェイトを設定する方法、各ボーンに影響範囲を設定する「エンベロープ」による方法との2つがあり、どちらか一方を使用、または両方を併用することができます。

Poserでのフィギュアのセットアップを経験された方にとっては、エンベロープによる方法は球状影響範囲の設定と似ているので、こちらの方が親しみやすいかもしれません。
メッシュではなく、アーマチュアの側に影響範囲を設定するのも、Poserの仕組みと似ています。
うまく使えれば、同じアーマチュアを服にも流用できたりして便利そうなのですが、残念ながらあまり実用的ではありません。
Blenderのエンベロープは、Poserの球状影響範囲と違って、中心位置がボーンの始点、終点に固定されています。
腕、脚がとても細く、メッシュ自体のポリゴン数が少ないようなフィギュアではエンベロープで十分な可能性もありますが、ある程度以上リアルなフィギュアでは関節部分の変形をうまくコントロールするのは難しいようです。
●Bone Heat Weighting
現在のバージョン(Ver.2.45)までのBlenderでは、エンベロープ自体をメッシュの変形に使用しなくても、エンベロープの設定を元にして自動的にウェイトを設定する機能を使うためには、ある程度エンベロープの調整をしておく必要がありました。
しかし、現在RC1が公開されている次のバージョン2.46には、エンベロープを使用せずに新しい方法でウェイトを自動設定する機能が追加されます。
今回は、ちょっと先取りする感じでそちらの方法をご紹介したいと思います。
機能そのものは「Bone Heat Weighting」というもので、こちらに英語の説明があります。
Blender 2.46 RC1は本家のBlender.orgからダウンロードできますが、日本語サイトのBlender.jpでも入手できます。
※RC1というのは、正式リリースで搭載される機能をバグフィックスするためにテスト公開しているものです。
Windowsを使用されている場合、EXE形式のものではなく、ZIP形式のものをダウンロードして、現在使用されているバージョンと両方が併用できる形で使用するようにしてください。
Ver.2.46 RC1で作成したファイルを古いバージョン(Ver.2.45など)のBlenderで開く場合、データの互換性の問題が起こる可能性もありますので、データのバックアップをとるなどして、十分にご注意ください。
より安全に頂点ウェイトのみを自動設定するには、Ver.2.46 RC1で頂点ウェイトを作成したメッシュデータのみをVer.2.45のデータに「Append」する形で取り込むといいように思います。
ということで、実際に試して見ましょう。
次の作業を、Ver.2.45のBlenderで進めます。
上記の手順でDaz|Studioを使用してエクスポートしたフィギュアのメッシュデータをBlenderにインポートします。
前回の記事を参考に「Pose Handler Script」でPoserの「.cr2」ファイルからアーマチュアを作成します。

メッシュデータにアーマチュアのデータを関連付けします。
これは、メッシュデータに「Armature Modifier」を設定し、そこにアーマチュアデータの名前を指定することで行います。
メッシュデータを選択します。
「Modifiers」パネルで「Add Modifier」ボタンを押して、「Armature Modifier」を選択します。

追加された「Armature」の設定オプションで「Ob:」の部分にアーマチュアデータの名前を入力します。
「Outliner」で確認すると、アーマチュアオブジェクト(3本の矢印のあるアイコン)とアーマチュアデータブロック(人のアイコン)で、名前が違っています。
「Ob:」の部分に指定するのは、アーマチュアオブジェクトの方の名前です。この場合、「Ob:Armature」となります。
すぐ下には「Vert.Groups」「Envelopes」というボタンがあり、デフォルトで両方が選択されています。
今回は頂点ウェイトのみを使用し、エンベロープは使用しません。「Envelopes」ボタンをオフにします。


次に、Armatureのボーンのうち、メッシュを変形するのに使わないボーンの設定をします。
「Pose Handler Script」で作成したArmatureでは、全体のボーンの親となっている「BODY」というボーンは、メッシュの変形には関係しないボーンです。
このボーンには、間違ってウェイトが割り当てられないようにしておく必要があります。
アーマチュアを選択し、「Pose Mode」または「Edit Mode」にします。

「Outliner」で「BODY」のボーンを選択します。
「Armature Bones」パネルで「BO:BODY」の部分で、選択されているボーン名を確認できます。「Deform」ボタンをオフにします。

この状態で「.blend」ファイルに保存します。
(sample01.blend)
Ver.2.46 RC1を起動します。
実際のバージョンナンバーは「2.45.15」となっています。
先ほど保存したファイルを開きます。

まず、アーマチュアを選択し、「Pose Mode」にします。
キーボードショートカット「A」を2回押して、全てのボーンを選択します。
全てのボーンが水色にハイライト表示されます。


「Outliner」でメッシュを選択します。
「Weight Paint」モードにします。
「Paint」メニューから「Apply Bone Heat Weights to Vertex Groups」を実行します。


これで、メッシュにアーマチュアのボーンと同名の頂点グループが作成され、各頂点グループに対応するボーンのための頂点ウェイトが自動的に設定されます。
とりあえず、この状態でデータを先ほどとは別名の「.blend」ファイルに保存します。
(sample02.blend)
Ver.2.46 RC1を終了し、Ver.2.45で元のファイル(sample01.blend)を開きます。
メッシュデータを選択してメッシュオブジェクトの名前(kururu)を確認してから、「Del」キーで削除します。


「File」メニューから「Append or Link」を実行します。
Ver.2.46 RC1で保存したファイル(sample04.blend)を選択します。
さらに、「Object」を選択し、さきほど確認したメッシュオブジェクトと同じ名前(kururu)を選択し「Load Library」ボタンを押します。


先ほど設定した、「Armature Modifier」のアーマチュアオブジェクト名「Ob:Armature」の入力が削除されてしまっているので、再度名前(Armature)を入力します。

これで、「Bone Heat Weighting」機能で頂点ウェイトを自動作成したメッシュを、Ver.2.45のBlenderで使用できます。
まだ頂点ウェイトの修正が必要な部分もありますが、とりあえずこの状態で「Pose Handler Script」を使ってポーズを変更したりすることができます。

せっかくなのでVer.2.46 RC1を使って新しい機能などもいろいろ試してみたいという方は、上記の「Append」の手順は省略して、以降の内容をそのままVer.2.46 RC1で作業していただいて構いません。
(sample03.blend)
●ウェイトの修正
「Bone Heat Weighting」では、かなりの部分をうまく自動設定してくれますが、それでも修正が必要なところがあります。
頭部について、自動設定されたウェイトを調べてみます。
アーマチュアを選択した状態で、「Pose Mode」にします。

ボーンの表示を見やすくします。
「Armature」パネルで「X-Ray」ボタンを押します。
こうすると、メッシュの内部に隠れているボーンも表示されるようになります。
「Stick」ボタンを押します。
こうすると、ボーンが細い棒状に表示されるようになり、メッシュのウェイトペイントがやりやすくなります。


この状態でマウス右クリックで「head」のボーンを選択し、キーボードショートカット「R」キーを押して頭部を回転させてみます。

睫毛、歯など、ボディーのメッシュと一体化していない部分に、正しくウェイトが設定されていないようです。これを修正してみましょう。
○頂点グループ
ウェイトペイントを使うと直感的にウェイトを調整できるのですが、状況によってはメッシュを「Edit Mode」モードにして、頂点グループの設定を直接変更する方がずっと効率的なこともあります。
たとえば、眼球のように全体が完全に一つのボーンの影響のみを受ける部分にウェイトを設定する場合がまさにそうなります。
メッシュの一部をマウス右クリックして、メッシュのみが選択された状態にして「Edit Mode」にします。

3D Viewでキーボードショートカット「A」キーで全ての頂点を非選択にします。
ボディーのメッシュ上にマウスカーソルを合わせ、キーボードで「L」キーを押して接続されたメッシュを選択します。


「H」キーを押して、ボディーのメッシュを非表示にします。
同様にして、左右の目玉のメッシュも選択、非表示にします。


「B」キーを押して、領域選択で睫毛、歯などをまとめて選択します。

「Link and Materials」パネルで「head」の頂点グループを選択します。
「Weight:1.000」の部分でウェイトが「1.000」となっているのを確認して、「Assign」ボタンを押します。
これで、選択頂点に「1.000」の値でウェイトが設定されます。


ここでさらに、別の頂点グループのウェイト設定を調べてみます。
「neck」を選択します。

3D View上で「A」キーを押して、一旦すべての頂点を非選択状態にしてから、「Select」ボタンを押します。
本来は、これらの頂点は「head」だけから影響を受けて、他のボーンからは全く影響を受けない状態でなければなりませんが、かなりの頂点に「neck」のボーンのウェイトが割り当てられています。

そのまま「Remove」ボタンを押します。これで、「neck」のボーンに設定されていたウェイトを削除できました。

念のため、「A」キーで全てを非選択にして、「Select」ボタンを押してみて、頂点が選択されないか確認してみた方がいいでしょう。
同じように、「leftEye」「rightEye」など、近くのボーンにウェイトが設定されているかを調べて、もし設定されていたら、「Remove」ボタンでウェイトを削除します。
実際、まつ毛部分に目のボーンのウェイトが設定されていますので、削除しています。
キーボードから「Alt」+「H」キーを押して、先ほど非表示とした部分を表示させます。
(sample04.blend)
○Weight Paint
「Outliner」でアーマチュアを選択し、「head」のボーンを回転させて修正した部分の動作を確認します。目玉の部分が顔からはみ出しています。

頭部のウェイト設定を「Weight Paint」モードで確認してみます。
メッシュを選択して「Weight Paint」モードにします。

色の赤い部分はウェイトが「1」で影響量が最大、色の青い部分はウェイトが「0」で影響量が最小となっています。オレンジ色、黄色、緑色はその中間となります。
頭部のウェイト設定は、本来なら頭部全体が真っ赤になっていて、首の付け根あたりだけが黄色から緑色になっている必要があります。
j自動設定されたウェイトでは目の周辺あたりから色が変化していますが、あごの先まで真っ赤になるように修正が必要です。

ただし、このままウェイトペイントを実行してしまうと、本来なら色を塗りたくない目玉の部分までペイントしてしまうことになります。
ウェイトペイント画面でペイント対象からメッシュの一部を外したい場合、「UV Face Select」モードで面を非表示にします。
「UV Face Select」モードにします。(サンプルデータではテクスチャを省いていますので、すこし違った表示になります)
ボディーのメッシュ上で「L」キーを押して接続されているメッシュを選択し、「Shift」+「H」キーで非選択部分を隠します。


「Weigh Paint」モードに戻ります。ワイヤー表示になって少し色が見づらくなりますが、目玉などを隠した状態でペイントできるようになりました。

※Ver.2.46 RC1では「UV Face Select」モードは「Edit Mode」に統合されています。
ウェイトペイント時にメッシュの一部を隠す機能は、「Edit Mode」で不要なメッシュを隠しておいて、「Weight Paint」モード時に3D Viewのヘッダに表示される「Painting Mask」ボタンをオンにする、というように変わっています。

○Paintパネル
ウェイトペイントでのブラシ設定は「Paint」パネルにまとめられています。
「Weight:1.000」の表示とスライダ、「0」「1/4」「1/2」「3/4」「1」のボタンのいずれかで、ペイントするウェイトを変更します。ここでウェイトが「1.000」となっていることを確認します。
さらに、「X-Mirror」ボタンを押して、左右対称ペイントを有効にします。

「UV Face Select」から「Weight Paint」モードに入っていると、メッシュのうち選択状態になっている面にだけしかペイントができないようです。
もし、ペイントする面が選択されていないようなら、ボディーのメッシュ上で「L」キーを押して、接続面を選択します。
首の付け根以外は真っ赤になるように、頭部をペイントします。
広い領域を真っ赤にしたい場合は「Opacity」の値を増やす、「Size」でブラシサイズを大きくする、「Sprya」ボタンをオンにする、「Soft」ボタンをオフにする、などするとやりやすいと思います。
「Pose Mode」で「head」のボーンを回転した状態にしてあるので、色が変わるにつれて、頂点の位置も微妙に変化します。
また、ときどき「A」キーを押して面の選択を解除すると、色がきちんと塗れているか確認できます。
ペイントを再開するときには、再度面を選択しなおしてください。
また、ペイントするときには視点を操作して、横、後ろなどから見た画面にする必要がありますが、そのとき頭部以外の手、足などが頭の奥の方に表示されていると、間違ってウェイトを追加してしまう可能性があります。
知らない間に意図しない場所にウェイトを追加してしまうと、後で修正するのが大変になりますので、視点の操作は十分に注意して行ってください。

色が塗り終わったら、「UV Face Select」モードにして、非表示にした面を戻します。
「Alt」+「H」キーで非表示の面を表示しますが、モードを変更しただけで非表示の面が表示されたりするので、このコマンドは実行する必要がないかもしれません。
「Outliner」で、アーマチュアを選択して、「Pose Mode」で「head」のボーンを回転し、再度メッシュの変形状況を確認します。
まだ、おかしい部分があります。目玉が頭部からはみ出しています。

この場合、「head」のウェイトはほぼ問題なく設定済みですので、本来は影響して欲しくない別のボーンに頭部のメッシュ上の頂点へのウェイトが設定されていることになります。
頂点ウェイトでは、ウェイトを追加する修正以外に、ウェイトを削除する修正が必要になります。
この場合、まず、隣接するボーン「neck」を確認します。
このような不必要なボーンからの影響は、ウェイトを自動設定したときに追加されるだけでなく、ペイント操作中に気付かないうちに無関係な部分をペイントしてしまったりすることでも発生します。
メッシュを選択し、「Weight Paint」モードにします。
マウス右クリックで「neck」のボーンを選択します。
顔の半分くらいにまで、「neck」の影響が届いています。

先ほどと同様に、「UV Face Select」モードでボディーのメッシュのみが表示されるようにします。
ブラシの設定を「Weight:0」にします。「0」ボタンを押すのが早いです。

頭部が真っ青になるようにペイントします。

「head」「neck」の境界部分は、両方のウェイトを足して「1」になるくらいに調整します。
このような部分では、ブラシの「Weight」や「Opacity」の値を下げてペイントします。

通常、アーマチュアが「Pose Mode」の状態で「Weight Paint」に入っていると、マウス右クリックでボーンを選択することで対応する頂点グループを選択できるようになります。
ただし、「UV Face Select」モードでメッシュから「Weight Paint」モードに入ると、マウス右クリック操作では、メッシュ上の面を選択することになってしまいます。
この場合、「head」「neck」などのペイント対象の頂点グループを変更するには、「Link and Materials」パネルで行ってください。
口内など、ペイント操作中にメッシュの表面が見えない部分は、ウェイトペイントでの調整は困難です。
そのような部分では、「Edit Mode」で不要なウェイトのある頂点を頂点グループから「Remove」ボタンで外すことで、対応します。


●Blenderのボーンの名前規則
ウェイトペイントではメッシュに左右対称にウェイトを描画する「X-Mirror」機能は、手、足など左右に分離した部分でも有効です。
ただし、その場合は左右の各ボーンの名前と、それに対応する頂点グループの名前をBlenderの名前規則に合わせておく必要があります。
残念なことに「Pose Handler Script」で取り込んだPoserのボーンの名前をそのまま使うことができません。
Blenderの名前規則はある程度の自由度があって、左右を表す「L」「R」「l」「r」「left」「right」「Left」「Right」などと、セパレータ「 (スペース)」「_(アンダースコア)」「-(ハイフン)」「.(ピリオド)」などを自由に組み合わせて、ボーン名の前か後に付けることができます。
とりあえずPoserのボーン名で「l」「r」のあとに「 (スペース)」を一つ入れて「lCollar」を「l Collar」とすることで、左右対称機能が動作するようになります。
ただし、せっかく名前を変更してもBlenderの名前規則のままでは、「Poser Handler Script」でPoserのポーズを適用することができなくなりますので、最終的にはまた元の名前に戻します。
自動作成された頂点ウェイトの多くの部分は、とくに変更しないでそのまま使えると思いますので、修正する必要のあるボーンの名前を変更するだけで大丈夫です。
手の指の関節まで含めて全てのボーンの名前を変更する必要があるのでかなり面倒なのですが、「Outoliner」でボーン名の頭に「l」「r」のあるボーン名を一つ一つ変更します。
「Outliner」でアーマチュアのボーン名を変更すると、それに対応した頂点グループの名前も自動的に更新されます。
「Outliner」での名前の変更は、「Ctrl」キーを押しながらボーンの名前をマウス左クリックします。


(sample05.blend)
Blenderで、アーマチュアの動きに合わせてメッシュが変形するようにするための設定は、以上のような感じになります。
今回は、自動設定されたウェイトを元に、頭部と手の一部だけを修正しただけですが、実際にポーズを付けていると色々と気になるところが見つかると思います。
ある程度はウェイトの調整でなんとかなりますが、ボーンの構造そのものを変えないとどうにもならないこともあります。
「Pose Handler Script」のアーマチュアの自動作成、「Bone Heat Weighting」によるアーマチュアからのウェイトの自動設定を組み合わせると、とても簡単にフィギュアを動かせるようになります。
ぜひ、お気に入りのPoserフィギュアをBlenderで動かせるように、挑戦してみてください。
Blenderは触ったことないですが、骨入れまで出来るとはかなり高機能ですね。
Poserにも、球状影響範囲の考え方を一歩進めて、ウェイトマップの仕組みを取り入れてくれたらと思ってます。服の曲がり加減とか、しわとか、イメージに近いものになりそうな気がします。
身売りを繰り返している現状では無理っぽいですが;;
Clannadのストーリーの中で上履き着用のシーンがあるかちょっと分からなかったのですが、mt55さんの上履きセットが似合いそうな気がして、組み合わせて使わせていただきました。
ウェイトマップの仕組みはハイエンドの3DCGソフトでも使われていて、現在のCGのシステムではとても一般的な感じですね。
ただ、ウェイトマップの機能単独ではなかなか思うように関節部分が変形してくれなくて、ボーンの構造を複雑にしたり、PoserでのJCMとかと同じようにモーフを関節に連動させたり、色々と工夫が必要なようです。
関節の各回転軸ごとに別々に調整ができないようなので、Poserと同じ数のボーンだけだとかなり厳しい感じです。
Poserの球状影響範囲の仕組みは、かなり古いわりにはフィギュアに服を着用する使われ方と相性も良くて、意外とよくできているなと改めて感心しています。
華奢な感じのスタイルに良く似合ってると思います。
tentmanさんに作っていただいた制服はAirの制服に続いて2作目ですが、どちらもとても洗練されたデザインで、本当に素晴らしいと思います。
学校の女の子の制服というとセーラー服かブレザーのどちらかという感じになると思うのですが、こちらのClannadのものもAirのものも、そういう既存の枠には収まらないような新しいデザインになっているようですね。
今回もくるるちゃん、この可愛い姿で
男の子フアン激増ですネ!
それとスカートがとてもキュートで素敵
だなと思いました。
Blenderの解説も力が入っていますね。
>Daz|Studioを使ってみたところ、
完全に左右対称なままでOBJ形式に出力できるようです
以前私もOBJ出力で同じような経験をした
覚えがあります。原因が未だにわかりません
^^;
それとだんだんPoser要らずになっていくのかな…と少し
寂寥感を感じました。
でも進化は喜ばしい事なので、他のソフト
でも便利なものはどんどん活用していきたいとな思いました。
こんばんは。
スカートのひらひら感を強調するには、もう少し動きのあるポーズがよかったかなとも思うのですが、今回は袖の長さを強調するような感じにしてみました。
PoserのOBJエクスポートは、完全にゼロポーズの状態でも、微妙に組み込んだボーンの影響を受けるのかもしれません。
最初はMTmirrorとかを使って修正してみたりもしたのですが、Daz|Studioを使った方が簡単でした。
Carraraなどでは当たり前のように行われているPoserとの連携も、Blenderで再現するのはなかなか難しいようです。
Blenderには色々と面白いアニメーション機能があるので、くるるのデータを使って試してみたいと思っています。
おかげでウェイトペイントのおおよその色の塗り方をつかむことができました。
長文の更新お疲れ様です。
はじめまして。
私はBlenderについてはUV展開やモデリングに使う程度で、キャラクターアニメーション機能については最近までほとんど使ったことがありませんでした。
そんな私がこんな風に記事を書いたりしていて本当に申し訳ない感じなのですが、もし少しでもお役に立つことがありましたら何よりです。
サンプルファイルにつきましては、この記事のものは「Bone Heat Weghting」で作成していますが、2/19の記事のものはほとんど手作業でウェイトペイントしています。
もう少し色々と試してコツがつかめるようになると、もっときれいに関節を曲げられるようになりそうな気がします。